カシミア100%ヒッキーフリーマンチェスターコートの生地の質感の劣化
今回事例は実際に触ってみないとわからないという
ネットでは非常にわかりづらい事例です (; ^ω^)
お品物はヒッキーフリーマンのオーダー品、カシミア100%のチェスターフィールドコートです。お値段◯00万円!
お客様は高級を謳っているクリーニング店にお出しなっていたそうですが、「クリーニングに出すたびに生地がカサカサしてきて質感が悪くなってきている」とのご相談を承りました。
確かに触り心地は肌荒れをした皮膚のようにザラザラしていてペッタンコ、アイロンの跡でテカテカ光っていました。
まず原因としては・・・
通常カシミア素材はドライクリーニングします。
ドライクリーニングとは簡単に言うと石油系の油で洗うことです。油で洗うということは・・・
例えば髪の毛を油で洗うとどうなるでしょう?髪の毛の脂分まで一緒に流してしまい髪の毛はカサカサのボサボサになってしまいます。
それは獣毛も同じこと、汚れと一緒にカシミア本来の脂分まで流してしまいます。
そこで脂分を補ってあげないといけません。
この工程を省いてしまうと生地がギシギシした感じの仕上がりになってしまいます。
今回は獣毛本来の油脂成分をコートに補給することでカシミア本来の艶としっとりした質感と滑らかな肌触りを復活させ、生地が膨らんでふんわりさせることが出来ました。
このように同じクリーニング店でもぜんぜん違うのです。
信州長染会はシミ抜きだけでなく、洗いも洗剤1cc単位で、水分や酸価値などもしっかり管理をし完璧なクリーニングを目指し勉強をしています。
大切な衣類がありましたら、ぜひお近くの信州長染会会員にご相談下さい。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- カビ2024年11月20日襦袢のカビ
- 洋服についたシミ2024年10月23日飛び散った赤ワインのシミ
- 洋服についたシミ2024年9月25日エジプトのピラミッドの砂のシミ抜き
- 変色の復元加工2024年8月28日デュベティカのダウンジャンパーのエリの変色直し