toggle
2015-09-17

外で留袖に汚れがついても、絶対に擦ってはいけない理由

今回の事例は着物の留袖に汚れがついて、それを落とすために擦ってしまったという事例です。

留袖といえば着るシーンも限られてきますし、格の高い大切な着物だと思います。

外で着ている時に、何か汚れがついてしまった時、どのように対処されますか?

例えば食事の時、最初に出ているおしぼりで擦ってしまったりしているという方、それはお避けください。

20159171

例えばこの留袖。白くなっている部分は、お客様が汚れを取るためにこすってしまった部分だと思います。

これは汚れが残っているのではなく、絹の繊維が切れてしまい、白く毛羽立ってしまった状態なのです。こうなってしまうと染み抜きではなく、部分染色が必要になってきます。

20159172

ですので出来る限り同じ黒で違和感が出ないように部分的に染色をしましたが、このスレという状態は斜めから見ると見えてしまう事があるんですね。

これ以上黒くすると、逆に目立ってしまいます。

20159173

これも同じ状態。完全に真っ白になっていました。強く擦ってしまったのかもしれません。

20159174

これも出来る限り違和感の出ない状態にしましたが、やはりスレが強すぎました。

強くスレを作ってしまうと、繊維も傷んでしまいますし、元の状態に戻すことは難しくなります。

また、食堂などで出てくるおしぼりは殺菌のために塩素を使っていることもありますので、さらに着物の色を変化させてしまうことがあります。

お手持ちのハンカチなどでそっと汚れを取り除き、早めにご相談いただければ幸いですね。

着物でお困りの時も、お気軽に信越長染会のメンバーのお店を訪ねてみてくださいね。

投稿者プロフィール

(有)クリーニング黒岩 近藤 義之
(有)クリーニング黒岩 近藤 義之
長野県須坂市のクリーニング店5代目として、日々様々な衣類のシミと向き合っております。
ちがいのわかるクリーニングを目指し、どの様な衣類のシミも、すべて同様に全力を尽くさせて頂きます。
洋服、和服、お気軽にご相談ください。
The following two tabs change content below.

(有)クリーニング黒岩 近藤 義之

長野県須坂市のクリーニング店5代目として、日々様々な衣類のシミと向き合っております。 ちがいのわかるクリーニングを目指し、どの様な衣類のシミも、すべて同様に全力を尽くさせて頂きます。 洋服、和服、お気軽にご相談ください。

最新記事 by (有)クリーニング黒岩 近藤 義之 (全て見る)

関連記事