今回の事例は着物の襟のスレです。
スレといっても、果たして何?っと思う方も多いと思います。
そして、その状態の着物をお持ちになったお客様は、だいたい汚れと思っているのですよね。
汚れがついちゃったから、ハンカチで拭いたら広がっちゃったみたいで・・・
いえいえ、実はその白い部分がスレを起こしている場所です。
着物の素材は絹が多く、そして絹は非常に摩擦に弱いです。
ですので、擦られると繊維が切れてしまい、その部分が毛羽立ってしまうのですね。で、白っぽく見えるといったわけです。
洗っても戻りませんし、シミ抜きでも戻りません。
しっかりと部分的に染色をする必要があるのですね。そして、スレを収めていきます。
アフターです。これなら問題なくお使いいただけるのではないでしょうか?
ちょっとした汚れなどで、さっと拭き取りたくなる気持ちは本当によく分かります。
ですが、それが着物にとっては大敵だという事を覚えておいてくださいね。
そんな時は、そっとハンカチで抑える程度にして、すぐに信越長染会のメンバーにご相談くださいね。
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- 長野県須坂市のクリーニング店5代目として、日々様々な衣類のシミと向き合っております。 違いのわかるクリーニングを目指し、どのような衣類のシミも全て全力で向き合わせて頂きます。
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